先日、帰宅すると、ふと新築の香りがした。
古い家なのに、である。森林の、鼻から通って前頭に抜けるような清涼感のある香り。
ああ、そうだった。衣替えをしたからだ。樟脳の香りだった、これは。
大手のメーカーが作る「タ○スに○ン」や「○シュー○」などなど数多あるものは香り(臭い)がないことを前面に打ち出したものが主流な今、敢えて香りの選択をしてみた。
楠樟脳の香りが「虫除けのついで」ではなく、わざわざ香らせたい凛とした心地よい香りだったから、というのも理由である。
この香りを吸い込んだとき、なにかビジュアル的にイメージがわくような錯覚に陥った。
クスノキは、神社などに見られてご神木として人々の信仰の対象とされる物もあるというくらいだから、その香りが心身に与えるインパクトは大きいのだろう。
実際に、「香りを嗅いで色が見える」というのをご存知だろうか。
「シナスタジア、共感覚」と呼ばれる物で、ある刺激に対して通常の感覚以外の別の感覚も生じるものだ。
香りに色を感じる以外に、形に味がする人もいるといわれている。
香りと色の関係には、とても興味がある。
こんな話を思い出した。
家内が子供の頃、ある物を見て「クレンザーの味がする!」と言って物議をかもした。
「クレンザーを食べた事あるのか?(そんなわけないのに味がわかるものか)」または、
「嫌いだからとわがままを言っている」
「バカな事ばかりいうな!」(←ばかりって、いつもバカ?と、少女は傷ついた。らしい。)
というのが大抵の大人の反応だったそうだが、
そのある物は見る度にいつもクレンザーの味がして不快なのだとか。
・・・これって共感覚なのか、謎だ。
ところで、天然のクスノキ樟脳は、この香りがついた衣類は、風にさらせばすぐ香りが飛ぶので香水などを使いたい場合でも、香りがケンカする心配はないそうだ。
使ったのはこちら↓
くすのき樟脳